Vietnam 旅行記1

プロローグ〜傷心兼慰安エクソダス〜

「どうもお世話になりました」
私は青葉不動産の営業さんにVESPERA高円寺の鍵を返却した。

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5月のある晴れた日。向かいのコンビニの幟を風がゆっくり巻き上げている。
全ての店内装飾をとっぱらった小上がり席は陽当たり良好。

 

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店内がらーんとしちゃってる。

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デケーわこの店。

つくづく。 

 

中途半端に寒い冬を超え、埃っぽく、なんとなく気の触れた春は過ぎ。
新芽新緑が芽吹く皐月。
今はグリーンのキセツなんだ。

VESPERAもグリーンのペンキで塗りたくってたんだなぁ。
店内装飾をとっぱらった壁、天井はペンキ塗りなんてグリーンな連中によるDIYの痕跡を露にしていた。
ハミだし、色むら。
それらが実に愛らしいのだ。
それらを見るにつけ皆への感謝の気持ちがまたふっと沸く。
協力してくれたみんな本当にありがとう!

じゃーな、VESPERA高円寺。
グリーン野郎。
グリーンな季節にバイバイ。

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戦ったなぁ、笑

 

でもね、クローズ後にそんな感傷になんて浸りたくなかったんだよ。

 

そのためには

とっとと自分をどっかに落とし込まないと。

 

 

 

全然違う環境へ

 

 

 

 

当然日本じゃない方がいい。

 

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ベンタイン市場周辺 11/05/2016

共産圏

 

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ニャチャン 朝焼け 09/05/2016

美しいビーチ

 

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ホーチミン像 人民委員会庁舎そば 08/05/2016

VIETNAM !

VIETNAM !

VIETNAM !

 

 

VESPERA高円寺のカタを付けたら脱出!

そう決めてたんだ。

 

 

 

VESPERA解約のその足で成田空港へ、
感傷を許さないタイトな旅程。

いいね。ドタバタでいこう。

 

 

 

中国東方航空だけがそんな私の願いを叶えてくれる。

ただし中国東方航空のネット評価は最悪。
http://e.his-j.com/static/kuchikomi/kuchikomi.asp?car=MU
DELAYED率は50%を超えるとか。

 

 

 

 

ネット上に出回るレビューを読んだら躊躇するところ。

 

 

この2年間、不運のフルコースを私に召し続けてきた高円寺VESPERA。
万難排した安全牌を選択しても同じ事。
どうせ最後の慰安旅行にしたってまた不運にノシつけて寄越すんだろ?
だったら厄払い、最悪とかいう航空会社、やらいでか!

EXPEDIAでノーチョイス。

「購入」をクリック

 

続けざまにホーチミン〜ニャチャン間のフライトも海外サイトでブッキングした。VietJetとかいう航空会社。

もうなんでもいいさ。

 

 

 

中国東方航空のサイトで特別機内食(VEGAN食)を申し込もうと思ったら電話受付のみだって。電話を試みるが不通だった。

成田空港の中国東方航空のカウンターで問い合わせたら、中国の休暇にぶつかっていてコールセンターが休んでいる、とのこと。
メシ抜き。

いいね、スタートからVESPERAの旅行らしいよ。

 

 

成田〜上海〜ホーチミン

枝豆と黒ラベル。
渡航前、最後の日本情緒を持って成田空港のデッキへ上がる。

 

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「あら。時間が無さげ」

黒ラベルを呷り
枝豆を急いで掻き込んだ。

 

 

枝豆って急いで食べるのはけっこう大変なんだな。

どうでもいい小さい発見をして中国東方航空上海行きに搭乗した。

 

 

 

 

搭乗してみるとどうだい、 

綺麗な機内
とても感じのいいCAがお出迎え
席毎にモニタもあるじゃない

エアアジアなんかより格段いいよ?

ネット評と全然違うな。

 

 

よしよし。
しっかり寝ますか。

 

 

小説を1冊手元に残し、トランクにバッグを押し込んだ。

もちろん手荷物のチェックインなどしない。ロスバゲがこわいもの。

 

 

 

「おっ?」

私の後ろの席、
黒ずくめ、タトゥー、ピアス、メタルバッジ

 

 

場には浮いてる、それでいてアタシにとっては馴染みのオブジェが視界に入った。

 

 

そこに居合わせたのはY嬢と言った。

 

 

彼女はロスから日本観光、ライブを見に来ていたパンケット。

 

 

アタシの友達のバンドのワッペンを付けていたので話しかけてみたよ。

 

 

 

 

食事後、機内が落ち着いた頃に空席だったY嬢の隣へ青島ビール片手に席移動した。

楽しくあっという間に飛行機は上海に到着した。

4時間くらいだったかな?

 

 

 

 

世界のどこへ行っても、お互いパンクってパスを持ってるだけですぐに打ち解けられるこのトラベルパンクスの融和性はどうだい。

 

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オイオイ、幸先いいスタートじゃね?

 

 

上海空港
Y嬢とはここでお別れ。

それぞれ
ロス行きの便
ホーチミン行きの便へ乗り継ぎ。

またどっかで会うだろうな。
一旦のお別れ、でしかない。

 

 

 

 

上海空港での乗り継ぎは時間がかかると言われていたが、まったくの拍子抜け。

無気力審査官の恩恵もあって入国審査も場末の遊園地のモギリ並み。楽勝。

そういやArriving Cardを出してなかった。
テキトー。

 

 

 

16番ゲートで搭乗を待つ。待つ。待つ。。。。

あれ?もうそろそろ出発時間ですよね?

 

 

しまった!!

直前の搭乗ゲートの変更か!

乗客達は他のゲートから搭乗し終わってるんじゃ?

 

少し血の気が引いた。

小走り、
DEPARTURE INFOの電光掲示板を見に行った。

 

搭乗ゲートも、出発時間にも変更の表示は無い。

ってか出発時間もうすぎてるじゃねーの。
それでもDELAY表示も無し!

 

 

 

結局、上海空港で2時間くらい待たされたのかな?

 

 

「遅延は前提」でこの航空会社を選んでいたからどうって事無い。
いい読書タイムだった。

ホテルのレイトチェックインが少し心配だったけど。
たいしてデカくもないホテルのフロントが午前3時4時まで客を待っていてくれるのだろうか。。。

 

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タンソンニャット空港 08/05/2016

 

 

ほどなくして
ホーチミン タンソンニャット国際空港に到着。

 

 

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閑散〜

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーチミン空港での折衝

 

おい!

 

 

おい!

 

 

 

やばいよ。

SIMカード販売所も換金所もインターネットの情報通りあるけど肝心の売り子がいない。

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買えない。

換えらんない。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空港の屋外に出てみた。

 

もわぁぁぁああぁあああああぁあぁ…………

 

スゴい湿気に巻き取られた。

 

 

 

アタシの眼鏡は一気に曇った。
視界が無くなる。
まるでこの時のアタシの置かれた状況のメタファーである。

 

 

眼鏡を外すと親切なボッタクリVietnameseに囲まれていることに気づく。

その数はどんどん増えていく。

 

 

 

日本じゃベトナムドンに換金できないんだろ?

じゃぁベトナム到着後に換金、って流れだわな?

で、ベトナムに着いたらどうよ?

換金所クローズってどうよ?涙

 

ねぇ、答を教えて、、、涙

 

「タクシーはVina Taxi,Mai Linh Taxi,Vina Sun Taxiの三社が安全です」
と、るるぶは言うが。

でもこの時間白タクしかいないんですけど、笑。

 

 

こんな時ツレがいれば置かれた状況に冗談のひとつでも言って焦りを薄められるんだけどね。

 

 

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ホーチミン 08/05/2016

 

アタシは日本円での支払いをアタシを取り囲む白タクドライバー達に打診した。

 

「いいよ。」

 

 

ね?
ベトナム人は基本的に親切です。ボリますけど。

 

 

タクシーじゃない、完全にベトナム人の自家用車に乗り込んだ。

 

 

 

空港から市街地までのタクシーの相場はだいたい16万ドンくらい。

1000円札一枚あれば相場として十分だ。

 

 

 

運転手が車を止めた。

「空港パーキングのおかねをちょうだい」

「ノー。それも込みで1000円だっちゅーの。夏目漱石ってイケメンだろ?」

「NO,NO,NO,」

電卓を差し出してきた。

 

 

ベトナムドンは桁が多い。
そんな旅行者の不慣れさをついて最初の約束の10倍の200万ドン(約1万円)をシレっと要求してきやがった。

 

 

 

アタシは運転手に運転手自身の携帯で「日本円 ベトナムドンレート」をググらせた。
だってまだ現地のSIMカードを買えてないから自分の携帯電話は使いたくないもんね。

「ほれ!1000円ってのはこれぐらいの価値なんだよっ!十分だろ?」

10分くらい押し問答が続く。

 

どっかで妥協点を見出すところなんだけど、妥協出来なかったんです。
アタシの財布には万券数枚と日本硬貨と最後の一枚となった千円札しか残っていなかったから。

 

払うもんが無いから妥協もあったもんじゃないんです。

無い袖は振れないってヤツ。

 

「もういいわ。降ろせ。別のタクシーを捕まえるから!(強気で言ったもののこんなとこで別のタクシーが捕まるかよ。。。とほほ)

 

 

 

アタシの剣幕に運転手が折れた。
タクシーが動き出す。

 

 

交渉成立。

 

 

ゲートが近づく、空港パーキングの料金をチェックしておこうと思ったら、運転手は不払いでゲートを突破しやがった!

 

 

えーーーーっ!?
おいおい!君!
さっきはアタシにパーキング代を請求したよね?
パーキング代払わないんかーーーい

 

 

 

自由だ。

東京じゃないところに。

アタシのチンケな常識がくすぐられるところに来たぞ。

 

 

 

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RAWなタッチがたまらない人にはたまらない 高電圧注意のサイン

 

 

「着いたよ。ソコを左に入ったとこだ」

 

 

ありがとう
はい、じゃ1000円ね。最後の夏目を手渡した。

相場よりはチョットは色のついた額ではあったが、彼らとしてはもっとボレるカワイイ観光客を乗せたかっただろう。

換金手数料、夜中ってシチュエーションを考えたら。。。
ちょっと可哀想な気がしてきたのでミックスナッツを1袋あげた。

ジャイアントコーン入りのヤツ。

こちとらそれで精一杯。

 

 

 

*ワンポイント*
夜中にホーチミンに到着する場合は前もって日本で米ドルに換金しておきましょう。米ドルは国内広汎に使えるそうです。ドンは日本円へ再換金不可です。ドルなら再換金もできますもんね。

買い物時のレートはドンがもちろん一番いいです。
空港から宿泊先までのタクシーの相場は下調べしておいた方がいいです。相場を知っていないと交渉できません。
クレカはホーチミン市街の中心、外国人向けレストランくらいでしか使えません。

 

 

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ベトナミーズ ドクターペッパー的な 11/05/2016

 

 

換金〜ドノ娘二スルー?

ホテルの近くという繁華街のドまん中に降ろされた。
SIMカードがあればGPSでホテルの場所も探せる。

そもそもタクシー車内でホテル到着を確認できたんだけどね。

でもバーはまだ開いているし、通行人も沢山いる。
人に道を訊きながらホテルに近づく事にした。

現地人とコミュニケーションも取ってみたい。

 

 

 

道を訊きながらひとりホーチミン繁華街を歩く。歩く。

 

 

 

全然ホテルが現れないんですけど。

 

 

 

 

バイクタクシーのおっちゃんが声をかけてきた。

ドンが無いっての。バイクには乗れないっての。

 

1万ドンが5枚でもあればバイクで夜風にあたりながら悠々ホテルに着けるんだけどな。

 

ホテルの場所だけ訊いた。

 

 

 

「あぁ〜ここねぇ、ここから2キロくらいあるよ〜」
「このストリートがココ、あの交差点が地図で言うココね」

へ?本当だ。

あのタクシー運転手、
ホテルから2キロも離れたところで降ろしやがった!

 

 

 

まったく自由だ。
疲れるぜ。

 

 

 

「24時間営業の換金所に連れて行くからソコで換金しなよ。友達がやってる換金所なんだ」
「日本人も韓国人もみんなソコで換金してるよ」
「いいレート」

  

 バイクタクシー後部座席に尻を落ち着けた。

 

バイクで町外れに連れてかれる。
or
グルになった換金所で法外なレートをふっかけられる。

アタシは余計なオプション、シナリオも書いてみた。

 

 

現在進行形で騙されてるかも知れない自分を自覚するのも面白い。
これもひとつのベトナムアトラクション。

 

 

 

なるようになれ。
日本時間で午前5時は過ぎていたころ。
最高潮にぼく眠いんだ。

いざとなったら千葉真一のマネでもして切り抜けるさ。
サニーの神通力を祈った。

 

 

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有名な水上人形劇のキャラ

 

 

 

 

夜風にあたりながらのバイクタクシーはきもちがいい。
単なる移動以上の価値を感じている。

 

 

 

 

ほどなく
換金所に到着。
なんの変哲も無い換金所。
換金所で寝てるおばちゃんを起こして換金した。

遂に念願のベトナムドン!!

 

 

 

この換金所、やりとりがスゴくアバウトだった。

 

鉄柵越しに1万円札を差し出したら
「いくら?」
っておばちゃんの方から訊いてきた。

レートは覚えてたので
「2ミリオン」って応えたらそのまんま200万ドン寄越してきた、笑。

 

逆じゃね?

 

こっちの言い値ですか?

手数料は??

 

 

明細はもちろん出ません。

 

こんな換金初めてだ。

 

 

自由だ。
アタシのチンケな常識なんか。。。

 

 

 

 

再度バイクを跨ぎホテルを目指す。

 

 

 

 

バイクタクシーのおっちゃん
「`*+`*+`*+`*+`(日本語で女性器)」
を連呼しながらアタシの内膝で指を出し入れしている。

「スゴクイイ`*+」
「グへへへへ」
「1万円。ホテルも+++++も込み」
「女の子を見るだけ見てみて」
「いやならキャンセルオッケー」

 

 

 

バイクはホテルの前で止まった。
が、しかし
ここはアタシの宿泊先のホテルではない。

フロントのイカガワシさが半端じゃないw

 

 

 

「もうじき女の子達が来るから。」

もう寝かしてくれよ、笑。

 

 

 

 

アタシ連れ込みホテルに連れ込まれていた。

 

 

 

ロビーで頂いたお茶を飲んでると、
複数のバイクのエンジン音が近くで止んだ。

「コニチワ〜オニィイサーン」
娼婦達が3人入ってきた。

みな若い。

 

 

 

ベトナム時間で午前4時前。
暗がりのホテルフロントで3人のベトナムギャルに囲まれ選択を迫られているアタシ。

「ドノ娘二スルー?(上がり調子で)」

 

屈託の無い女の子達、よく喋るバイクタクシーのおっちゃんと無口無表情な連れ込みホテルオーナーの嫌な圧力に挟まれている。

 

ベトナム到着早々この事態って、、、

 

 

弊店を利用してくれたお客さんたち、お店のスタッフ、バンド仲間、家族の顔が浮かんだ。
骨休めに来たベトナムでアタシは一体何をやってるんですか?

 

 

華やかな女の子たちが入って来た時は眠気も吹っ飛びましたが、ここはお引き取り願いました。

ええ、どうせつまらない男ですよ、アタシは。

 

 

 

娼婦撤退の際、
娼婦専属のバイクタクシーの運転手、娼婦と同世代の20代前半くらいと思しき男達のアタシに据えられた視線がなんだか印象的でした。
怒るでもなく、嘲るでもなく。感情の無い目線で冷ややかにアタシを「見て」た。

 

 

 

 

バイクの後部座席に分乗して走り去る娼婦達の嬌声がネオンの先に吸い込まれていった。入れ替えに聞こえてきたゴミ回収の大型トラックの作業音。
夜明けは近い。

 

アタシののホテルは依然近くて遠い。

 

 

 

 

やっとこさ宿泊先に到着するとホテルのシャッターは完全に降りていた。
バイクタクシーのおっちゃんが呼び鈴を連打してくれてホテルを開けてくれた。

目をこすりながらホテルのフロントスタッフが出てきた。

遅くに、いや、こんな早くにチェックインでごめんなさい。

 

 

これ、自分ひとりで行ったら呼び鈴も発見出来ずシャッターの前で立ち尽くしていたんじゃないかと思う。

締め切りだ。。。なんつってさ。

 

ホテルに行きたいのに娼婦を斡旋してきたりしたけど、バイクタクシーのおっちゃんは憎めないキャラだ。

最終日にホーチミンに戻ってくるからまた市内移動をお願いしようかな。
バイクタクシーのおっちゃんと電話番号を交換しといた。

「ホーチミン上島竜兵」で登録。

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上島竜兵

*ワンポイント*
今回3カ所のホテルに泊まったが「24時間対応のホテルフロント」ってのは必ずしもエントランスが24時間解放状態と言う訳ではない。
そして夜中は彼らはデッカい扇風機にあたりながらガチ寝しています。なかなか起きません、笑。アタシは彼らを起こさぬ様に部屋の鍵を預けずに外出していました。

 

 

 

 

つづく。

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