ベンタイン市場。
ココは衣類、食べ物、コーヒー、お茶、化粧品、時計、雑貨などなどベトナム最大の品揃えだ。土産品探しの王道スポット。
ここは日本人観光客が多いのだろうね、店員が日本語を上手にしゃべる。
それが鬱陶しいこと。うっとうしいこと
度を過ぎた積極販売なんです。
コーヒー豆販売のおばちゃんに捕まったんです。
自分の店を離れてずぅ〜っと観光のアタシにくっついてまわって来るんですよ。
他の店の商品なのにいちいち商品説明をするの。
しかも見りゃわかるよってレベル。不要なんです、全く。
このおばちゃんを追い払ったところで次のおばちゃんがくっついて来るだけだろうから。しばらく泳がせておいたんです。
市場内を歩いていると探していたチェーを発見したんで一休みしようとしたんですが、おばちゃんは横にすわりスムージをオーダーするんです、泣。
え〜一緒に休むの?
目の前のショーウインドウのフルーツなどチェーのトッピング具材を全部説明しだすんです。
マメでしょー
スイカでしょー
芋でしょー
ゼリーでしょー…..延々と、泣。
見ればわかるわ!
まったく休まりませんでした、笑。
チェーって見た目の清涼感と言いますか、トッピング具材の階層の美しさもあるんですよ。
(Che Vietnamで検索してみてね、)
だのに
おばちゃん、腹立たしくも親切に、アタシのチェーをグッチャ
グッチャに飲みやすくステアしてくれるんです。
アタシの美しい階層、グラデを誇ったチェーはサイゴン河の水の色のごとくタダのグレーな淀んだ飲みものに変容していました。
なので写真はございません、笑。
この旅で飲んできたコーヒーがどれも美味しかった。
ベトナム産のコーヒー豆を買おうと思っていた。
でも
こういう鬱陶しい人の店では買う気も失せます。
ベトナム産で一番美味しいヤツ。
話を聞いていたらジャコウネコのうんちコーヒー、コピルアックってのが最高級らしい。
それは野生のジャコウネコが野生の勘で美味しいコーヒー豆を選り抜き食べる
(コーヒー園からすれば被害であった)
糞をする。
果肉は消化されるがコーヒー豆は未消化で糞に残る。
それを集めて洗浄、焙煎したのがジャコウネコのうんちコーヒーというわけだ。
コーヒー豆がジャコウネコの体内を通過する際に良いフレーバーが付くというのだ。
コーヒー豆だのに非VEGANということにもなるね。
ジャコウネコがついばむ豆が最高級のアラビカ種だと100g日本円で1000円くらい。
よし、それを頼む。
セールストークを聞いてる間にググったら日本では1杯8000円くらいで提供してる店もあるとか。
わっ!
買う事を決めてはいたんだけど、
セールストークは全然信用していません、笑。
多分偽物だろう。
良くて混ぜ物だと思う。
だってこんなに観光客の集まる市場だよ?
でも味見した「100%コピルアック」ってのが本当に美味しかったからいいんだ。
味見をさせてもらった豆の入っていた袋から200g計量してもらった。
このコーヒーが欲しい。
セールストークが進むほど、彼らの日本語が流暢なほどに「騙されてる感」は強まるのは何故かしら、笑。
社長(30代前半)は頭の回転が速いし、人当たりがすごくいいんだ。
彼らとの会話は面白かった。
騙されるならココだ!とアタシは決めた!
彼らのうちのひとりは
「姉さんが北海道に嫁いだ」んだって。
もちろん
そんな販促エピソードなんて信用していません、笑。
このコピルアックってのはきっと出荷量より販売量の方が多いと思う、笑。
売れて売れて偽物ならまだいい(良くはないが)
だって本物コピルアックって暗示かけられれば美味しく感じるんじゃないの?
金になるばっかりに
ジャコウネコに無理をさせて増産、って流れになったらやだな、と。
狭いケージにジャコウネコを閉じ込め無理繰りコーヒー豆だけを食わせて増産って非道なやり方ね。
「野生の」とか「コーヒー園の被害を逆手に」みたいなトークで思いが至らなかったけど劣悪環境に押し込まれたジャコウネコ、さもありなんだと思う。
今後は買わないと思う。
ベンタイン市場を出てカフェを探す事にした。
市場内だと休まらないから、笑。
市場を出るとアタシの目の前にVEGETARIAN CAFEが。
待ち構えていたかの様、
何だこのフィット感は!
行かない理由が無い。
イイ感じの店内。
フードメニューを見せてもらったがホーチミン一般のカフェの相場より安い。
日本だけじゃないのかな、ベジタリアンレストランが割高なのって。
夕飯にはまだ早かったのでお茶だけで退店。
ベンタイン市場周辺はナイトマーケットに向かって準備が始まっていた。
この準備の模様は必見です!
こういったナイトマーケットのヤグラを原付で運ぶのです。
日本のラーメン屋台のヤグラみたいに原付にしっかり固定されてるんじゃないんです。
キャリーカート感覚でバイクに乗りながら引っぱるんです。
あっちからも、こっちからも市場にむかって
ごごごごごおおおおおおお
なんて音を響かせながらヤグラが一般道の上を滑って来るんです。
道交法なんてあったもんじゃない、ストリートはノールールです。
そして場所取りは早い者勝ちなのかな結構殺気立ってます。
ナイトマーケット入り口のカーブなんて最高の見所。
だんじり祭りのヤグラを想像してもイイ。
ナイトマーケットの搬入作業。
これは絶対におすすめ。
ユニオンスクエアに向かった。
何か特別な日?
って聞きたくなる程、
夜になるとお祭り騒ぎが常態化している。
このエリアも日本人観光客向けの街だ。
JCBカードが使えるレストランや、日本レストラン。
数多くあったサークルKはMade in Japanの品揃え。
街を歩きまわったがベジタリアンレストランは見かけなかった。
検索より街歩きの偶然に賭けていたから、実際は見落としていただけかも知れないけどね。
それにしてもあのベンタイン市場を出てすぐにVEGETARIAN CAFEに出くわすという偶然のフィット感ってすごかったな。
そのVEGETARIAN CAFE
『PHUONG MAI』へ戻った。
そろそろホテルに戻った方がイイな。
空港へのバス便はあっても時刻表が存在しないのだ。
109番のバス停を探したが新しい路線バスのためまだバス停マップに書き加えられていなかったようだ。
何処だろうか。。。
バスロータリーの有料トイレにいたおばちゃんに訊こうにも英語が通じなさそうだったしな。。。
バスロータリーは閑散としていたが、英語が通じそうな若者がバスを待っていたので声をかけた。
「ここだよ」
彼も空港行きのバスを待っていたのだ。
あと5、6分でバスがくるよ
彼は109番バスの時刻表を入手していたようだった。
彼の名前はジェジェという。ベトナム人。流暢な英語を喋る。
バスを待つ間、話し相手になってくれた。
ニャチャンのビーチは最高だった!ホーチミンもエネルギーがすごくて面白かったよ。カルチャーの違いで苦労もしたけど楽しい旅だったね。
とアタシ。
誰かと共有したかった。
ベトナムはロクな服がないよ、君みたいなファッションができる日本が羨ましいよ。
日本っていいよね、一度北海道に行った事があるよ。
綺麗だったね。
市場で食べたシーフードはどれも最高だったよ。
とジェジェ
アタシのファッションセンスはさておき、確かに日本、とりわけ高円寺の古着屋は最高だと思う。
タイはびっくりするぐらいおしゃれだったけど、ベトナムのファッションは総じて地味だった。
ファッションというポイントだけは共産圏って感じがした。
5、6分ほど会話をしていたらバスがやってきた。
ジェジェは今迄会ってきたベトナム人とくらべると異端だな。
妙にクールだよ。
ってか日本人だってそうですよね、
色んなのがいる。
単純にこの国の人はこうだ!って決めつけは良くない。
空港に着いた。
ジェジェに再度感謝を伝えると、
コーヒーでも飲まない?
と誘ってくれた。
が、
シャワーを浴びて荷物をピックアップして、、、って考えたら時間が結構カツカツだった。
午前0時頃、
すべてクローズ。
ドブネズミが走り回る道をゆく。
ホテル周辺はなんも無かった。
そんな心細い道を抜けると、ホテル〜空港間の道すがらにはカフェやバインミー屋台、スムージー屋台なんかも営業していた。
マイペースなカフェ。
赤。蒼。黄色。綺麗な鉢がファサードを彩る。
あまりお客さんはいないんだけど、
この余裕はなんだろうね、素敵だ。
横断し難かった空港前の大通りも交通量が減って今は楽勝。
出発ロビーに上がってみると換金所が営業していた。
到着ロビーの換金所は全てクローズしていたのに。
換金のニーズは逆だろ?笑。
アタシのこの国に到着時のあの焦りようはなんだったんだ。
=ベトナム旅行記1参照=
2階の出発ロビーにくれば換金できたんじゃんか!
笑いがこみあげてきた。
VESPERA慰安旅行らしいや。
中国東方航空の機体は高く高くベトナム上空へと高度を上げた。
アタシは深く深く睡眠の深度を深めていった。
上海空港着陸態勢のアナウンスで目を覚ます。
上海空港での乗り換え時間は2時間ジャスト。
搭乗口を目指す。
往路のトランジットで要領は得ていた。
と思ったんだけど、
スムースに事は運ばなかった。
往路では入国審査もトランジットの場合はARRIVING CARDの提出も無しでトランジット枠で簡単にスルー出来た。
復路も同じだろうとタカを括って向かったらARRIVING CARDを寄越せと言う。
アタシ、トランジットなんですけど?
往路では必要無かったぞ?
無情にも
ARRIVING CARD書いて来い。
取りつく島も無い。
ムキー!
また列に並び直し。
この時、出発時間まで既に1時間を切っていた。
おいおい、ここで入国手続きなんかしたって1時間後には出国してんだぞ?
こんな嘘八百の申告も書き放題のARRIVING CARDになんの意味があるんだよ?
ブチブチいいながら順番を待った。
ARRIVING CARDを携え再度審査。
今度はパスできた。
上海空港の入国審査の問診所にはアンケートマシーンがあった。
そのマシーンには審査官のランクつけボタン(ニコニコから怒りまで。それぞれの表情の描かれたボタンが4つくらいあった)があり、審査官を審査できるのだ。
品質向上のため?
こんなの初めて見たわ。
審査を経て
入国したと思ったらすぐさま出国審査。
バカバカしい。
そしてバカバカしいくらいの行列だ。
こんなの並んでたら絶対搭乗機に間に合わない。
アタシは空港職員を捕まえ、チケットを掲げて日本語でまくしたてた。
「もう出発しちゃうよっ!並んでる時間ないの!飛行機に間に合わないって!」
日本語ってのが良かった、
「差し迫った感」も醸しやすい。
彼らは言葉の意味より音で判断するんじゃないか?
と思いました。
職員は面倒くさいジャパニーズを特別レーンに誘導してくれた。
往路では全然問題なかった金属探知もこういう時に限って引っかかるんだわ、笑。
ゲートを行ったり来たり
なんとかパスして搭乗ゲートまで走った。
わ!
搭乗口に人がいない!笑。
みんな搭乗済みだったのだ。
あぶねー!!!!
ギリギリ!!
アタシは中国東方航空のシートに身を沈めた。
どうやら日本に帰国出来そうだ。
もう好きなだけDELAYしやがれ。
アタシゃ寝るわ。
旅は最後までドタバタだったな、笑。
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VESPERA高円寺の物件の解約日に飛行機に飛び乗り向かったベトナム。
かなりの荒治療ではあったが精神的に解放された。
VESPERA高円寺閉店の感傷なんて感じる暇もない旅行であった。
もしかしたらその感傷を感じないように動き続け遊びまくったのかも知れない。
まーどちらでもいいが。
ベトナムは最高ってこと。
政治もシステムも永遠の価値を持つものなんてありゃしない。
時に乗じて変わりゆくものでしょう。
少なくとも人々がでたらめにも活き活きとしている国、ベトナムへの恋慕は募るばかり。
1週間以上水便というベトナム旅行の洗礼を受けてるがアタシはきっとまた彼の地を踏むだろう。